カリブ海を擁するビーチリゾートとして有名なメキシコのカンクン。
そんなカンクンが位置するユカタン半島には、実は今もなお謎多きマヤ文明の遺跡が数多く残っています。
この記事では、カンクン周辺にある4か所の定番・人気のマヤ遺跡について、実際に行った経験からそれぞれ紹介していきます!
そもそもマヤ文明とは?
マヤ文明とは、紀元前から16世紀頃まで2,000年以上の長い期間、現在のメキシコのユカタン半島から、ベリーズ、グアテマラなどの中米5国にまたがった地域で栄えた文明です。
独自の文字を持ち、非常に高度な数学的知識や天文知識、建築・医療技術などを持っていたマヤ文明は、スペインに侵略される以前の南北アメリカ大陸で最も発展した文明の1つでした。
最盛期の8世紀頃には、1都市につき6万人から10万人もの人々が、この一帯でいくつもの王国を形成していたと言われています。
しかしスペインによる植民地化の過程で、マヤ文明に関する書物はたった4冊を残して全て焚書されてしまい、彼らの歴史については未だ多くがベールに包まれています。
なぜ滅びたのか?なぜそれほどの知識をもっていたのか?どのような治世で栄えたのか?
今なお解明されていない謎が多く残っているマヤの遺跡には、太古から続くロマンが詰まっています。
カンクンから行けるマヤ遺跡4選
ではここからは早速、カンクンから行けるマヤ遺跡を定番人気から穴場まで全部で4か所、ご紹介していきます!
チチェン・イッツァ遺跡
チチェン・イッツァはかつてマヤ文明が栄えた古典期後半の中心地として機能しており、1988年に世界遺産に登録されて以来メキシコで最も観光客の多い考古学遺跡となりました。
チチェン・イッツァの最大の見どころは、何といってもエル・カスティージョ。
すなわち「ククルカンのピラミッド」「ククルカン神殿」などと呼ばれるピラミッドです。
世界一美しいピラミッドとも言われており、ピラミッドを構成する段差などにもすべて天文学的な意味があるとされています。
最上段には神殿があり、「ククルカン(羽毛の生えた蛇神)」を祀っていました。
ククルカンといえば、このピラミッドが有名な理由のひとつにククルカンの降臨現象があげられると思います。
1年に2回、春分の日と秋分の日だけピラミッドの最下部にある蛇の頭部を模した石像が太陽で照らし出されると同時に、北東の階段側の壁にうねるような光のジグザグ模様が浮かび上がり、それがまるで天から降りてきた巨大な蛇のように見えるのです。
世界一美しいピラミッドだと言われる所以は、こうした天体の動きや暦を熟知した上で、緻密に計算し建築されているという神秘的な部分にもあるんですね。
このようにピラミッドひとつとっても多くの秘密と魅力が隠されているのですが、他にも見所は多くあります。たとえば「球戯場」です。
その名の通り、昔はここでサッカーやバスケットボールのようなゲームが行われていたといいます。
2チームに分かれて、ボールを相手側のゴール(↓の石の輪)に通すと点が入るというルールだったそうです。
ちなみにこの石の輪のゴール、高さ6メートルの所にある上、使われていたボールも非常に重かったので現実的に考えてかなり入れるのが厳しかったのではと言われています。
球戯とはいいますが、これの特徴は遊びやスポーツの類ではなく「神聖な儀式」であったということ。その昔、この球技は天体の動きに見立てた賭け事(娯楽)に使われていましたが、時代を経るにつれて神聖化されていったそうです。
上の写真の中央右には、首を落とされて血が放射状に噴き出し、その血の先がヘビの頭に変形している人の姿が描かれています。
この球戯で争ったいずれかは、このように首を落とされ、神に命を差し出しました。これには諸説ありますが、最近では負けた方ではなく勝った方が、より高潔な血を持つものとして神のもとにいく生贄になったとされているようです。
また、マヤ文明はトルテカ文明に影響を受けているため、他にも刺激的な遺物を見ることができます。
生贄を投げ込む井戸や、取り出した心臓を置いて太陽に捧げる台(↓)など、
歩き回りながら、様々な刺激強めのエピソードを聞けるのがチチェン・イッツァの魅力です。
「怖すぎるっ!」と思うかもしれませんが決して残酷な話ではなく、いずれの行動も彼らにとっては神を信仰し天国への道を開く尊いことだったのです。…絶対ここに転生したくはないけど。
ちなみにチチェンイッツァに行けるオプショナルツアーは数多くあるので、他の行きたい観光地との組み合わせで1番スケジュールに合いそうなものを選ぶと良いかと思います。
チチェン・イッツァへの早期アクセス、セノーテでの水泳、テキーラテイスティング+カンクンからの送迎
トゥルム遺跡
ド定番のインスタ映え・フォトジェニック観光スポットであるトゥルム遺跡。
美しい海をバックにたたえたこのロケーションですもの、人気ぶりには全力で頷けますし、ド定番であろうが行く価値のある絶景が魅力ですね。
トゥルム遺跡の特徴は、遺跡×ビーチのハイブリッド観光地であるということ。
海水浴もできるので欧米の観光客に特に人気だそう。
遺跡のほうも、他のマヤ遺跡とは雰囲気が全く違いとても開放的な雰囲気でした。
かつて、ひどい干ばつによる飢饉で食料を求めたマヤ人は、どんどん内地から海辺へ移動して、最後にこのトゥルムの地にたどり着いたといわれています。
そう、トゥルム遺跡はマヤ終焉の地なのです。
そう考えると、美しい海とうち捨て去られた遺跡のコントラストに何だか寂しい気がしますし、歴史と人類の興亡の謎につい想いを馳せてしまいますね。
この海をカヌーでわたり、内陸のあちこちと海上貿易もしていたんだとか。
この頃、陸上貿易は、長い間していた戦争のせいで機能しなくなっていたそうです。
そういえば、この遺跡に行くまでのバスも可愛かったです!
個人的にトゥルムを気に入ってる理由として挙げたいのが、トゥルム遺跡の「風の神殿」と「天くだる天使の神殿」という、建物のネーミングセンス。
誰なの?中二病患者に名付けの権利を与えたのは?(好き)
文明が終わるってなんなんでしょうね。
当時の人々もここで海を見ていたのでしょうか。長い歴史を思うと、感慨深いものがあります。
トゥルムのマヤ遺跡、セノーテ、カメと泳ごう:カンクン発日帰り旅行
コバ遺跡
少しマイナーかもしれませんが、考古学的な見所が多く、ジャングル感がすごいので遺跡や人類史のミステリーや冒険に心くすぐられるという方におすすめしたいのがコバ遺跡です。
観光地感が他より薄めで、思わずワクワクしてしまいます。私が行った際にはマヤ人による遺跡の説明・ナビゲートしてくれる場面もあり、感慨深いものがありました。
敷地内は広いため、自転車で走り回ります!ジャングル探検みたいでなかなか楽しい。
コバ遺跡には石碑が多く残っていて、当時の治世や歴史について紐解くヒントを目にすることができるのが魅力です。おそらく興味深い解説がもっとも多いのは、この遺跡かと思います。
また、チチェン・イッツァまでつづく100kmの長い道(サクべ)の起点もあります。
かつてのサクべは、月の光に照らされて夜は白く輝いていたそう。想像するとロマンチックです。
そういえばマヤの世界観は、天と地、死と再生、光と闇…といった二元論だったそうですが、マヤ人ってロマンチックで、解説を聞けば聞くほどその世界観にはまり込んでいってしまうんですよね。(そしてトウモロコシになりたいと願っていたらしい。マヤ人かわいすぎる…)
コバ遺跡は、登れるピラミッドがあることでも知られています。
高さ42m、なかなかの急勾配、まともな階段ではない、というそこそこ危険な道のりで、這いずるように昇降している人も多々。(私もそうです)
しかし登ってみると、その価値はあると感じました。ピラミッド上からの眺めにはとても清々しいものがあります。 ※2020年11月以降コバ遺跡のピラミッドは登ることができなくなっています
現在は緑が生い茂っていますが、かつてはピラミッドの周りに森はなく、ここを中心に大きな街が広がっていたといいます。
かつてマヤ人がここで生活していたと考えると、遺跡内の探索もより面白くなりますよね。
エクバラム遺跡
2023年現在、カンクン周辺で唯一「登れるピラミッド」があるのが、エクバラム遺跡です。
エクバラム遺跡では90年代後半から2000年にかけての大規模調査で新たな発見が相次いだため考古学的に注目度は高いのですが、観光客にはほとんど知られていない穴場のマヤ遺跡でもあります。
私が行った際も、見かけたのはたった3人程度でした。
マヤ語で「黒」「明るい星」を意味するエクと、「ジャガー」を意味するバラムで構成されているため「ブラックジャガーの遺跡」や「ジャガーの星」の意味を持つと言われるエクバラム遺跡は、紀元前 300 年頃からスペイン人が到来するまで続いた非常に豊かな王国の首都だったそう。
そして、こちらが登れるピラミッドことアクロポリスです。
エクバラム遺跡最大の発見は、ここにある初代王の墓と、その奥で発見された7,000個以上の副葬品だといわれています。
墓の入り口は写真の左側の屋根の下にあるのですが、真っ白な漆喰でつくられており、ジャガーが大きく口を開けたようなデザインがとても美しかったです。
ピラミッドの上から見た景色。
時の支配者は、ここから街の様子を日々眺めたり、空を見て天気をよんだりしていたそう。
人がいない分、神聖で歴史的な雰囲気が色濃く残っている遺跡でした。
マヤ遺跡にはロマンがいっぱい
ここまで、4つのマヤ遺跡を紹介しました。
個人的にメキシコ観光、とくに遺跡に関しては、ツアーをお願いすべきかなと思っています。
治安面の安心を得られることにくわえて、遺跡はただの石の塊・ただの道にしか見えないものなども多いので、せっかくの見どころを見過ごしたままで帰ってしまいかねないからです。
ほんとに、遺跡のなかには標識や説明文の掲示板も全然なくわりと不親切なので、知識がないと何が見るべきポイントなのかもわかりません。
今もなお謎に包まれたマヤ文明は、歴史好きな方でなくともドキドキしてしまうようなエピソードや、心惹かれるロマンにあふれています。
遺跡解説とセノーテでのダイビング・シュノーケリングが楽しめるパッケージツアーなどもあるので、ぜひカンクン旅行の際にはマヤの世界に飛び込んでみてくださいね!
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※このブログ記事は2018年2月および2023年7月の旅行記です。最新情報は必ず公式ページにてご確認ください。
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